いつの間にか雪は姿を消していて。
土筆もとっくに元気を無くしていて。
私は久しぶりに昼間の町をパンプスで歩いていて。
まだ、昔のようには走れないけどパンプスをはいて歩けるようになっていたのは進歩。
それは雪がなくなったせいじゃないんだけどね。
いつもスカスカの駐車場が目に入った。
今日は何故か浮気相手のあの人を思い出した。
そこで何度も何時間も話をしていた。
途中に鳴る彼女からの電話に、いちいちビビる情けない男(笑)
でも、思い出したところで悲しくもなんともなかった。
一瞬、フルネームを思い出すことさえ時間を要した。
それより、もっともっともーっと前にあったタンポポ畑が頭をかすめた。
黄色一面がここに引っ越してきた高校生のとき以来、毎年、私に春を告げてくれていた。
浮かれた気分にしてくれた。
もうそこに黄色は無いと、ハッキリとわかっていても歩きながら確認するたび、寂しく懐かしくなる。
それは決まって、学生時代から社会人になって数年頃までの私と自転車と春の印象として、よみがえる記憶。
楽しくて自分が一番で、私は酒を飲んでいて、まだ妹がいた頃の古い話だ。
まだあの人が横にいた頃、私が笑うということをなんとなく出来ていた頃、耐震性の問題で建設途中だったマンションも、今は当たり前のようにそこにあって、古びたマンションに同化しつつある。
代わりにあの人の横顔や喉仏のシルエットが私の景色から消えている。
同じ町の同じ場所にずっといるとね、時間だけは動いているけど、私だけはあまり動いていないから気付きすぎることが、たくさんある。
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